50Mc・30Wプッシュプルアンプアンプの製作



5月のGW後半頃から本格的にEsが出始めています。

今年も8月・9月頃までは、Esで遊べそうです。

さて、アンテナは、結局、JE1AHN局から、CA−HVというアンテナを譲って頂き、モービルで

多バンド化に成功をしました。やはり、アンテナエレメントが空気抵抗を受けにくいように細くした分

同調幅が狭くなったりすることはどうしても避けられないようです。

致し方ないと思いつつ、現在までに7/18/21/24/28/50/144/430/1200Mcの各バンドに

モービルから出られるようになりました。

50Mcと言うと昔々手に入れたFT−690というリグが手元にありました。

既にモービルには、IC−730Sが搭載されているので、大きなRIGは積めません。

したがってFT−690の活用となるわけです。

(本当はHF〜430Mcまで1台出られるRIGにすればいいんですけどね。例えばFT−8XXとかね)

そこでFT−690単体では2.5Wなので少なくとも10W以上のアンプを作ろうと思いつきました。

幸いに手元に2SC2508というトランジスタがゴロゴロしていたのでこいつを

何とか活用してやろうと思い製作に入ろうかとまずは、企画・設計をしようと思います。

はじめにどのくらいのパワーにするかを考えると免許状は50Wまで許可になっていますので

それ以下にします。最低でも10W以上とします。

したがって、 10W(最低出力) ≦ 出力電力 ≦ 50W(最高出力) とします。

※モービルで使うのであまり高出力を要求するとバッテリーに負担がかかりすぎてしまうので、

  こんなところが一番いいでしょう。

使用モードは、SSB・AM・CW・FMのオールモードを目指します。

したがって、回路の種別はAB級増幅とします。

手元にある2SC2508というトランジスタの検討をします。

当該トランジスタの規格は

型番 社名 用途 CBO CEO Tj その他
2SC2508 東芝 PA 40 18 6A 50W 175 Po>27W、η=60%

f=175MHz Vcc=12.5V Pin=4.2W

という様なものです。

このトランジスタをとりあえずシングルで使っても10W程度出せそうですが、VHF帯(175Mc)の

移動体通信のC級増幅(FM)用のトランジスタのようです。

これをf=50Mcで使った場合考えられることは、

・増幅ゲインが高くなる。

・発振を起こしやすくなる。

・AB級増幅にするためにバイアス電流を流しても、もともとC級増幅用なので直線増幅に向かないために

 SSBやAM変調において汚くなる可能性がある。

などなど考えられます。この様な条件下では商用無線設備には、2SC2508は使用しないと思いますが、

UFE研究所としては、そこに開発のポリシーを見いだしたいと思います。


回路設計

回路は次のようなものを考えてみました。

fig1

この回路図は至って、古典的なプッシュプル回路です。

この回路で抜けいてるものとして、バイアス回路がありますが、これはどうするかは

今後の検討としたいと思います。

入力側にはインピーダンスを取るために2つのトリマーコンデンサにより50Ωの確保を考えました。

入力側のトランスですが、これは電力がFT−690単体の2.5Wということですので、VHF帯で

使われているメガネコアを用いてみます。

なお巻き数については、トロイダルコア活用百科を参考にしてインピーダンス変換する巻き数を決めます。

同様に出力側ですが、30W程度を予想してメガネコアを2〜3段、直列にして使用します。

出力のインピーダンス変換をするために巻き数はやはりトロイダルコア活用百科を参考にしてます。

あわせて出力側にはT型フィルターを挿入しておきます。これはアンテナ側で不意にインピーダンスが

乱れた場合に緩衝役とする意味も込めています。

なお使用するにあたっては、フィルターを使用しましょう。

次回は基板の製作にあたり、大まかな部品配置を考えてみます。


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